ト・ヘンがプロデュースする「ナンバース」は、知識や経験を全く必要としない、ユビキタス時代の音楽自動生成システムです。
これは作曲家佐野芳彦考案による「サウンドセル」という音楽のパーツを、「情報」に基づいて組み立てるという概念に基づくもので、「音楽のレゴ」と言い換えることができます。
この「情報」は、例えばメールアドレスやヒトゲノムから各種センサーによるデータに至るまで、アプリケーションによって自由に設定することが出来ます。
さらに、外部機器や外部の事象と音楽を関連付けたり、インタラクティヴに音楽を生成することも可能です。
これは「特定の情報に固有な音楽」「リスナーがその内容に関わる音楽」という、これまでにない「音楽の新しい在り方」を示唆しています。
ナンバースにはもう一つ、サウンドセルの供給・蓄積によって進化し続けるという大きな特徴があります。
また、バイオテクノロジー、ライフサイエンステクノロジーと一体になった「作物の育成促進システム」や、特定の個人のための「究極の癒し音楽」も視野に入ります。
映像機器・アプリケーションの発達には目を見張るものがあり、ハイクォリティーなコンテンツ制作環境を既に多くの人々が手にしています。
その一方で、ユーザーが簡単に音楽を創ることのできるシステムやサービスは未だありません。
今年も膨大な数の新しい音楽が市場に溢れることでしょう。
しかしその中に、「個人のために創られた音楽」は一曲もありません。
ナンバースは、これまで作曲家の頭の中で密かに行われて来た COMPOSE(作曲する=構成する)という行為を、一般に開放すると同時に、全く新しい音楽市場を開拓するビジネスモデルです。 |